ウリンと他樹種 イエシロアリ食害実験 京都大学生存圏研究所協力

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ウリン辞典|耐蟻性・白蟻対策

イエシロアリ食害実験から見る、ウリン材の耐蟻性能

屋外のデッキ、フェンス、土留め、階段まわりでは、木材の腐朽だけでなくシロアリ被害への不安も大きな判断材料になります。このページでは、京都大学生存圏研究所による各種木材の耐蟻性能試験結果をもとに、ウリン材がイエシロアリに対してどのような抵抗性を示したのかを整理します。

試験対象柿、ヒバ、ウリン①、ウリン②、セランガンバツ、オーク、スギ辺材
試験条件イエシロアリ職蟻150頭・兵蟻15頭を用いた3週間の室内試験
読み方屋外での保証年数ではなく、木材同士の耐蟻性比較として見る資料です

耐蟻性能試験の概要

この試験は、各種木材の耐蟻性能を室内試験で比較することを目的として実施されたものです。試験対象は、林田順平商店が提供した6種の木材と、対照材としてのスギ辺材です。

試験方法は、JIS K 1571:2010「木材保存剤-性能基準及びその試験方法」の防蟻性能に関する室内試験に準拠しています。ただし、耐候操作は行われていません。試験体は20mm×20mm×10mmの木片で、イエシロアリ職蟻150頭・兵蟻15頭を投入し、28±2℃、相対湿度80%以上の暗所で3週間保管した後、シロアリの死亡率と試験体の質量減少量を測定しています。

項目 内容
報告日 平成31年3月25日
報告者 京都大学生存圏研究所 居住圏環境共生分野
試験目的 各種木材の耐蟻性能を室内試験で比較すること
試験対象 柿、ヒバ、ウリン①、ウリン②、セランガンバツ、オーク、スギ辺材
試験期間 3週間

ウリン材の試験結果

試験結果では、ウリン①の質量減少量は平均0.7mg、質量減少率は0%でした。比較対象の中でもっとも食害が少なく、非常に高い耐蟻性能を示した結果です。

ウリン②は質量減少量31.7mg、質量減少率0.8%でしたが、報告書では「目視ではほとんど食害されていない」とされており、この質量減少には試験体中の水溶性成分の溶脱が含まれている可能性が示されています。

0.7mg
ウリン①の3週間後の平均質量減少量。試験対象の中でもっとも食害が少ない結果でした。
ウリン②も目視ではほとんど食害なし
数値上は31.7mgの質量減少がありましたが、報告書では水溶性成分の溶脱を含む可能性が示されています。

大切な見方
この試験結果は「ウリン材が比較試験で高い耐蟻性能を示した」ことを示す資料です。一方で、実際の屋外環境では土壌条件、湿気、周辺木材、基礎まわりの通気、施工方法が影響するため、「絶対にシロアリ被害が起きない」と読むべきではありません。

他木材との比較で見るウリンの位置づけ

比較対象の中では、ウリン①がもっとも小さい質量減少量でした。ヒバは21.3mgで表面の浅い食害に留まり、セランガンバツは94.7mgで明瞭な食害が確認されています。柿、オーク、スギ辺材は150mgを超える質量減少量となり、耐蟻性能は低い結果でした。

試験体 質量減少量 質量減少率 結果の読み取り
ウリン① 0.7mg 0% もっとも食害が少ない結果
ヒバ 21.3mg 1.5% 表面の浅い食害に留まる
ウリン② 31.7mg 0.8% 目視ではほとんど食害なし
セランガンバツ 94.7mg 2.9% 明瞭な食害が確認された
オーク 160.0mg 12.2% 耐蟻性能は低い結果
スギ辺材 160.0mg 12.2% 対照材として大きく質量減少
242.3mg 11.2% 今回の試験ではもっとも大きく質量減少
3週間後の質量減少量比較
ウリン①
0.7mg
ヒバ
21.3mg
ウリン②
31.7mg
セランガンバツ
94.7mg
オーク
160.0mg
スギ辺材
160.0mg
242.3mg

試験資料の画像

以下は、耐蟻性能試験結果報告書の資料画像です。試験条件、結果表、考察文を確認できるよう掲載しています。

各種木材の耐蟻性能試験結果報告書 表紙
試験結果報告書の表紙。報告日、報告者、提出先が確認できます。
耐蟻性能試験の目的・試料・方法
試験の目的、試験体、イエシロアリの頭数、保管条件などが記載されています。
JIS K 1571による各種木材の耐蟻性能試験結果表
3週間後の死亡率、質量減少量、質量減少率の比較表と考察です。

外構材としての意味

この結果は、ウリン材が屋外デッキ、フェンス、階段、園路、土留め、杭などの外構用途で検討しやすい理由のひとつです。特に、地面に近い部材や湿気が抜けにくい場所では、腐朽だけでなくシロアリ被害への備えが重要になります。

ウリンは薬剤注入材ではなく、素材そのものが持つ高密度・高耐久性を活かして屋外利用される木材です。天然木の質感を残しながら、長期使用を前提にしたい外構計画では、有力な候補になります。

地面に近い外構束柱、土留め、階段、園路など、湿気や土壌の影響を受けやすい部位で検討しやすい素材です。
薬剤に頼りすぎない設計防腐・防蟻薬剤だけに頼らず、素材自体の耐久性を重視したい場合に向いています。
長く使う前提のデッキ初期費用だけでなく、交換頻度やメンテナンス負担まで含めて判断する案件に向いています。
業者説明の根拠資料施主へ「なぜウリンを提案するのか」を説明する際の根拠資料として使いやすい試験結果です。

採用前に確認したい注意点

ウリン材は高い耐蟻性能を示した木材ですが、外構全体の耐久性は木材だけで決まりません。水が滞留する納まり、通気不足、周辺の腐朽木材、基礎まわりの湿気、金物の腐食などがあると、期待した耐久性を十分に活かせない場合があります。

「シロアリに強い」と「何もしなくてよい」は違います。
素材選定と同時に、水はけ、通気、点検しやすさ、土との距離、下地材の耐久性を確認してください。ウリンを使う場合でも、設計・施工・維持管理を合わせて考えることが長寿命化につながります。

シロアリ・腐朽に強い外構材を検討している方へ

デッキ、フェンス、階段、土留め、園路など、使用場所によって必要な寸法・下地・納まりは変わります。シロアリや腐朽が心配な場所でウリン材を検討している場合は、用途や設置環境を整理したうえでご相談ください。