
ウリンを「使い切る」ことが、
資源の持続性につながる理由
ウリンは高耐久で希少性の高い天然木です。だからこそ、合法性を確認するだけでなく、限りある資源を無駄なく使い切る視点が重要です。ここでは、インドネシア産ウリン材に関する共同研究・公的情報・社内の理材活用の考え方をもとに、林田順平商店の取り組みが資源の持続性にどう関わるのかを整理します。
結論:合法性の確認と、端材を捨てない利用は両方必要です
ウリン材の調達では、まず合法性を確認することが前提です。しかし、合法的に伐採・流通した木材であっても、製材・加工の過程で多くの端材が廃棄されてしまえば、貴重な資源を十分に活かしたとは言えません。
京都大学生存圏研究所の共同研究紹介では、ウリンについて「輸出向けの合法性はSVLKによって担保できている」一方で、主な伐採対象地が生産転換林であることから資源の持続性は必ずしも担保されず、非効率的な製材によって原木比で6割程度の端材が発生し廃棄されていることが課題として整理されています。
このページでは、「合法材を扱うこと」と「理材活用によりウリンを使い切ること」を、別々の取り組みではなく、資源の持続性を高めるための一連の考え方として説明します。
研究資料から分かる、ウリン材流通の課題
添付資料「インドネシア産ウリン材の資源の持続性に関する調査および端材の有効利用が資源のライフサイクルに与える影響の評価」では、ウリンを安定的に輸入するためには、伐採の合法性だけでなく森林の持続性を明らかにする必要があると整理されています。
| 論点 | 資料から読み取れる内容 | ページでの整理 |
|---|---|---|
| 合法性 | インドネシア政府の木材合法性証明制度により、輸出木材の合法性・トレーサビリティが確認される仕組みがある。 | 合法性確認は、ウリン調達の最低条件として扱う。 |
| 資源持続性 | ウリンは主に生産転換林などで生産されるため、合法性だけでは森林資源の持続性を十分に説明できない。 | 「合法だから十分」ではなく、使い方まで含めて考える。 |
| 端材廃棄 | 製材・加工の過程で大量の端材が発生し、十分に利用されず処分されることが課題とされている。 | 理材活用により、廃棄されていた部分を商品・部材として活かす。 |
林田順平商店が進めている理材活用は、このうち「端材廃棄」の課題に対して、実務側から取り組むものです。長尺材・規格材だけを価値ある商品として扱うのではなく、短尺材や規格外材、意匠面で使い方を選ぶ材にも用途を与えることで、資源のライフサイクルを長くすることができます。
理材活用とは、ウリンを最後まで使い切るための考え方です
理材活用とは、標準寸法として使いやすい材だけでなく、製材後に残る短尺材、規格外材、端材、見た目にばらつきのある材を、用途に応じて活かす考え方です。ウリンは非常に耐久性が高い素材であり、小さな部材であっても、使い方を工夫すれば外構・園芸・下地・農業・仮設用途などに展開できます。
デッキ、フェンス、階段、笠木など、意匠と性能が求められる用途に使います。
短い材や規格から外れた材を、プランター、杭、下地材、小型部材などに転用します。
節、割れ、虫穴、欠けなどがある材でも、見えにくい部分や機能優先の用途で活かします。
使える部分を長く使うことで、資源の無駄を抑え、木材が固定している炭素をより長く留めることにつながります。
端材の有効利用が、資源のライフサイクルに与える意味
京都大学生存圏研究所の研究紹介では、端材の有効利用により環境影響軽減効果があること、そして「端材の有効利用が資源のライフサイクルに与える影響の評価」が研究テーマとして扱われています。
端材を廃棄せず商品化することで、1本の原木から実際に社会で使われる木材量を増やせます。
端材をすぐに処分せず、長く使う部材へ変えることで、廃棄・焼却に伴う環境負荷を抑える考え方につながります。
ウリンは耐久性が高いからこそ、短尺でも屋外部材として長く使える可能性があります。
規格材だけに依存せず、端材まで用途化することで、資源に対して無理の少ない使い方を提案できます。
ここでいう「環境負荷の軽減」は、端材を活かすことで資源の利用効率を高めるという意味です。ウリン材を無制限に使ってよいという意味ではありません。
林田順平商店の取り組みが、資源の持続性に寄与する理由
ウリン材は、非常に高耐久である一方、成長に長い時間を要する希少な天然資源です。そのため、林田順平商店では「合法性を確認して仕入れる」「長く使える用途に提案する」「端材まで活かす」という3つの視点を重ねて、資源の持続性に配慮した取り組みを進めています。
インドネシアのSVLKやV-Legalドキュメントなど、合法性確認に使える制度・書類を前提に、調達の透明性を高めます。
標準サイズで取り切れない材にも用途を与え、廃棄される量を減らす方向で商品設計します。
規格外寸法・短尺材などを、見える用途にも使える選択肢として提案し、資源の利用効率を高めます。
意匠面で難がある材を、農業資材・土留め・見切り材・下地材などの機能優先用途へ活かします。
大学・研究機関との共同研究を通じて、合法性、資源の持続性、端材活用、ライフサイクル評価といった課題を整理しています。
合法性と持続性は、同じではありません
ウリン材を考えるうえで大切なのは、「合法に輸出された木材であること」と「森林資源として持続的であること」を分けて考えることです。合法性は、制度・証明書・トレーサビリティによって確認しやすい領域です。一方、資源の持続性は、伐採地の性格、再生の仕組み、利用効率、廃棄の少なさ、植林や代替利用まで含めて評価する必要があります。
| 項目 | 見るべきこと | 林田順平商店の考え方 |
|---|---|---|
| 合法性 | SVLK、V-Legal、輸出入書類、サプライチェーンの確認 | 合法性を確認できる材を扱うことを前提にする |
| 資源持続性 | 森林管理、伐採地、再生、資源量、流通の変化 | 合法性だけでなく、研究資料をもとに継続的に確認する |
| 利用効率 | 標準材だけでなく、端材・短尺材・規格外材まで活かせているか | 理材活用により、ウリン材を最後まで使い切る商品設計を行う |
| 社会的価値 | 長寿命材として長く使われ、交換・廃棄を減らせるか | 耐久性を活かした用途提案により、長く使える外構材として広げる |
ウリン材を選ぶ方に知っておいていただきたいこと
ウリン材は、耐久性・耐水性・防虫性に優れた魅力ある素材です。しかし、希少な天然資源である以上、安さや見た目だけで大量消費する素材ではありません。必要な場所に、必要な寸法で、できるだけ長く使うこと。そして、標準材だけでなく端材や短尺材にも役割を与えることが、これからのウリン利用に求められます。
林田順平商店の理材活用は、「使えない材を安く売る」ための考え方ではありません。長い年月をかけて育ったウリン材を、最後まで使い切るための設計思想です。規格材、短尺材、サステナブルグレード、ファーミンググレードを用途に応じて選ぶことで、資源への負荷を抑えながら、ウリンの価値をより長く社会に残すことができます。
参考資料
このページは、公開されている研究情報、公的機関情報、弊社関連資料をもとに作成しています。
ウリン材を、適材適所で長く使うために
ウリン材の選定では、合法性、用途、寸法、グレード、施工条件、端材活用まで含めて考えることが大切です。デッキ・フェンス・土留め・農業資材・プランターなど、用途に合わせた材選びで迷う場合は、お気軽にご相談ください。
