
なぜウリン材は他の木材より高価なのか?
ウリン材は「鉄の木」と呼ばれるほど高密度で、比重はおおよそ0.97〜1.05と天然木の中でもトップクラスです。さらに、チロースが詰まった細胞構造や、ユーシデリン、アルファアジノールといった天然の防腐・防虫成分が豊富に含まれています。このため、薬剤処理に頼らなくても高い耐久性・耐水性・耐腐朽性を備えています。
また、ウリン材は主にボルネオ島(カリマンタン島)など東南アジアの限られた地域でしか採れず、伐採規制も厳しいため供給量が限られています。希少価値が高く、輸送コストもかかることから、結果的に価格が高くなるのです。
“安い木材”との違いはどこにある?
例えばホームセンターで手に入る防腐処理済みの安価な木材は、初期コストは確かに抑えられます。しかし、耐久性が低く、数年ごとに交換が必要になる場合も少なくありません。
一方、ウリン材は何十年もの間、雨風やシロアリ被害に耐え続けます。実際に港湾施設や桟橋、公共インフラにも使われてきた歴史が証明しています。メンテナンスも最低限で済むため、長期的に見れば修繕コストや手間を大幅に削減できます。“安物買いの銭失い”を避けたいなら、ウリンのような高耐久木材はむしろコストパフォーマンスに優れていると言えるでしょう。
高いウリン材を選んだ人の満足感とは?
確かにウリン材は他の木材より初期投資が高くなります。それでも多くの人がウリンを選ぶのは、経年美化を楽しみながら何十年と使い続けられる安心感があるからです。
使い込むほどに深い赤褐色からシルバーグレーへと変わる表情は、人工素材にはない唯一無二の味わい。重厚感のあるデッキやフェンスは、住まいの外観を格上げしてくれます。
「高い木を選んでよかった」──そう感じられるのが、ウリン材の本当の価値です。