
ウリンの経年美化
どんな木材でも時間が経過すると色変化します。
杉や桧の白木の柱、欅や桜の大黒柱でも木の成分が析出し、色は段々に黄色からいずれ茶色っぽくなります。
一方でウッドデッキ材は屋外にあるため、太陽の紫外線や雨による色変化で、どんな種類の木材も経年変化によりシルバーグレーになります。
ハードウッドデッキ材も同じです。この色は木材表面が日焼けしているもので、日焼けは表層の0.1ミリ〜せいぜい0.5ミリ程度です。人間も夏場に日焼けして、皮がめくれたら元の肌に戻るように表層部をサンダーやプレナーで削ってやると、元の新しい表層はオリジナルの色が出てきます
経年による色変化は、人間が高齢化して髪がシルバーグレーになるのと同様、美しい色変化であり、これを経年美化と捉えるべきだとウリンデッキレスキュー隊は考えています。
“鉄の木”が見せる自然な変化
ウリン材は伐採直後、美しい赤褐色や茶褐色の色味を持つのが特徴です。その落ち着いた木肌は、施工直後から高級感を感じさせます。しかし、ウリンの魅力は“時間とともに変化していく”ところにあります。雨や日差し、風を受けながら、表面は徐々にシルバーグレー(銀白色)へと変化。これは木材の成分が酸化し、自然にエイジングされることで生まれるもので、人工的な塗装には出せない、唯一無二の風合いです。
銀化現象=ウリンの美しさの証
この変化は「銀化(ぎんか)現象」と呼ばれ、天然木材が屋外で自然にさらされたときだけに見られる現象です。ウリン材の銀化は特に美しく、表面が滑らかに輝くような質感を持ち、景観との調和も抜群です。年月とともに周囲の自然や建築と溶け込んでいくその姿は、まさに“生きた素材”としてのウリンの証。ナチュラルでありながら気品を感じさせる風合いは、庭やテラス、公共空間にもぴったりです。
美しさを保つ?それとも育てる?
ウリン材の経年変化は、ナチュラルな美しさを楽しむ選択肢のひとつですが、「赤褐色の色味をできるだけ長く保ちたい」という声も少なくありません。その場合、UVカット成分を含んだ木材保護オイルを定期的に塗布することで、シルバーグレー化を遅らせることが可能ですが、ウリンデッキレスキュー隊は、推奨していません。サンダーやプレナーで表面を少し削るだけで色味は復活しますので、そちらを推奨します。逆に、自然の変化を楽しみたい方は、無塗装のままで十分です。どちらを選ぶかは使い手の好みによって変えられる──それがウリン材のもうひとつの魅力です。