
ファーミンググレードについて
外構やウッドデッキの計画において、「コスト」「耐久性」「見た目」のバランスは常に課題となります。特に近年は資材価格の高騰や環境意識の高まりにより、「無駄なく使う」という視点がより重要になっています。
その中で注目されているのが「ファーミンググレード」という選択肢です。これは単なる廉価材ではなく、素材の持つ性能を最大限活かしながら、未利用資源を有効活用する合理的なグレードです。
ファーミンググレードとは何か
ファーミンググレードとは、ウリン材の中でも節・割れ・虫穴・欠けなどの外観上の欠点を含む材を有効活用したグレードです。
天然木であるウリンは、製材過程でどうしても一定割合の「外観にばらつきのある材」が発生します。通常であれば流通価値が下がるこれらの材を、「使い方を限定することで価値に変える」のがファーミンググレードの本質です。
重要なのは、これらの欠点はあくまで外観品質の問題であり、ウリン本来の耐久性能とは別であるという点です。
つまりファーミンググレードは、
「見た目を許容する代わりに、コストと資源効率を最大化する素材」と言えます。
■ファーミンググレードの仕様(通常材との比較)
購入検討時に最も重要となる仕様を、通常材と比較しながら整理します。
- 材種・性能
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- 材種:ウリン(アイアンウッド)
- 耐久性:通常材と同等(腐朽・シロアリに強い)
- 使用環境:屋外・土壌接触・水回り使用可能
性能はグレードによって変わらない
- 外観品質
| 項目 | 通常材 | ファーミンググレード |
| 木目 | 比較的均一 | バラつきあり |
| 節 | 少ない | 多い |
| 割れ | 軽微 | 明確に発生 |
| 虫穴 | 少ない | 含まれる |
見た目より機能を優先する用途向け
- サイズ・規格
- サイズ:標準寸法ベース(20×105、30×120など)
- 長さ:1000mm~4000mm程度(在庫により変動)
- 特徴:規格内だが選別基準が緩い
短尺中心のサステナブルグレードと異なり、長尺材も確保しやすい
- コスト
- 通常材:基準価格
- ファーミング:最大約50%削減
最もコストメリットが大きいグレード
- 用途適正
- 土留め
- 見切り材
- エッジング
- 仮設材
- 農業資材
「見えない・目立たない場所」で最大効果
なぜコスト削減につながるのか
木材は自然素材である以上、均一な品質で全てを取り出すことはできません。
そのため、外観にばらつきのある材は通常「選別落ち」となり、流通価値が低下します。
ファーミンググレードは、この未利用材を再活用することで、
・材料ロスの削減
・歩留まり向上
・廃棄コスト削減
を実現し、その分を価格に反映しています。
つまり、安さの理由は「品質が悪いから」ではなく、
資源の使い方が合理的だからです。
サステナブル素材としての価値
ファーミンググレードは環境面でも大きな価値を持ちます。
・廃材の削減
・森林資源の有効活用
・CO₂固定期間の延長
特にウリンは長寿命素材であるため、一度使用されることで長期間炭素を固定し続けます。
これは短期間で交換される材料と比較して、環境負荷を大きく低減する要素となります。
つまり、
「使えるものを使い切る」という行為そのものが環境貢献です。
注意すべきポイント
一方で、ファーミンググレードには明確な注意点があります。
1. 外観のばらつき
節・割れ・欠けが目立つため、仕上がりの均一性は期待できません。
2. 設計との相性
見せる用途では設計・配置の工夫が必要です。
3. 選別の手間
現場での材料選別・使い分けが前提となります。
4. 天然木特性
・反り
・割れ進行
・色ムラ
これらは通常材同様に発生します。
よくある誤解
「ファーミング=低品質」
→ 誤りです。
性能ではなく“見た目の基準”が違うだけです。
むしろ用途を限定すれば、
最も合理的でコストパフォーマンスの高い選択肢になります。
まとめ
ファーミンググレードは、
「見た目を許容し、性能を活かす」ことで価値を最大化する素材です。
・コストを最優先したい
・大量使用したい
・見えない部分に使いたい
こうしたニーズに対して、極めて有効な選択肢となります。
重要なのは、
「素材に用途を合わせる」という視点です。
それができれば、ファーミンググレードは単なる廉価材ではなく、
コスト・性能・環境を同時に成立させる戦略的素材となります。
